止まらない「誤表示」「偽装」の暴露話オンパレード
どこまで暴かれるのでしょうか?ネットでニュースを見ていても、どれが「今日の話」で、どれが「昨日の話」か分からなくなる位、毎日同じようなニュースが溢れています。
そして、「このタイミングだったら目立たない!出すなら今だ!」とでも思っているのでしょうか。ここぞとばかりに、ホテル・外食チェーン等が公表に踏み切っています。プールの中で小便をしてしまう小学生位の下品さを感じます。(と言ってるこの表現が下品ですね。失礼)
真面目にやる人間が馬鹿を見る
こういう時に、一番馬鹿を見るのが愚直に真面目にやってきた人達です。有らぬ疑いをかけられる。外食は信用ならないという空気が、少なからず業界全体に影響を与えて行きます。当然、売上にも影響してくるでしょう。
そういう方々は、大手の傘の下では商売していません。独立した形で事業をされているので、世間の風当たりというモノが事業そのものに与える影響は、かなり大きくなる事でしょう。
反対に、今公表に踏み切っているホテルチェーン等は、多少の影響はあれど、ブランドが確立している事と、ホテルとしての集客力は依然強いですから、ある意味放っておいても客を呼ぶ事は出来るのではないでしょうか。
どんな時も、正直者がふざけた奴らの煽りを食うのです。
全て事業者側の責任?
ただ、これって全て事業者側の責任でしょうか?
そうせざるを得ない状況を作り出したのは、私達一人一人の「消費者」だとも思うのです。「良いものを安く」という事は、本当に可能でしょうか。物には適正価格があります。事業を継続する為の、適正な利益を乗せて、初めてビジネスとして成立します。
その適正な利益すら確保する事が難しくなっている中で、消費する側は更に値下げの圧力をかけていきます。「全て消費者が悪い」とは言いませんが、消費者側にも問題がある事は間違いないと思っています。
そもそも、「良いものを安く」という幻想から抜け出さない限り、この手の話は限りなく続いて行くものとなるでしょう。「良いものは高い」のです。それだけの価値がある訳ですから。その価値とは「希少性」であったり、「技術」であったり、様々な有形・無形の価値を有する者です。
逆に「高いものは良い」とは限りません。
更に言えば、どこぞの社長が本のタイトルにしていた「売れてるモノが美味しいもの」なんてのは愚の骨頂です。こんな発想で商売やるから「今、売れてます!」という知性の欠片も感じないキャッチコピーが乱立するのです。本当に売れてるモノが美味しいものであれば、世界で一番売れているカップラーメンや即席麺が、世界で一番美味しいモノになってしまいます。そんな筈はないという事は、小学生でも分かる事です。
「売上」を目的とした事業者にも当然非はある
売上は結果としてついてくるものです。対価として認められた証です。価値を提供していく事と、それを認めてくれた人との関係性の結果です。
「安さ」を価値とするのであれば、当然売上は下がります。安い方が「善」であり、高いモノは「悪」となるのですから。より安く、より安く、という事を「最善」としていくのであれば、最終的に行きつく所は、全てが無料の世界です。そこはビジネスが息絶えた世界です。
しかし、商売人としては、そうなってもらうと困ります。だから、「より安く」と言いながらも、売上を確保しなければなりません。そして、売上目標を達成するために「量」を稼ぐ様になります。
結果、売上が「目的化」されます。
モノやサービスを通して「価値」を提供していく事が目的だった事業者が、「売上」や「利益」を目的化していく事で何が起こるか? その一端が今回の騒動の根幹です。
売上や利益が最優先されると、それを実現する為の手段を選ばなくなって行きます。そこに「バレなければいい」という邪な気持ちが入ると、偽物を使います。ウソを言ってでも、より安い材料で仕上げる事になります。
「手段」を「目的」としない
売上や利益は、会社が存続し、事業を継続するための「手段」です。そして、それは「結果」手に入れるものです。
であれば、その前段階に「価値の提供」があります。
ここが、私たちが一番磨き続けるべき、追い求めるべき部分なのです。
「売上が上がらない」のが問題なのではない。
「価値を提供できていない」「価値を理解してもらえてない」事を問題視する事で、解決する糸口は見えて来るはずです。