新しいビジネスのあり方?

 

昨日、LIGさんのブログに「個人で簡単にビジネスが出来る!誰でも今スグ簡単にはじめられるC2Cサービスまとめ」という記事が出ていました。

http://liginc.co.jp/web/service/other-service/59417

 

「ココナラ」とかは最近知って、面白いなと思って人にも紹介してましたし、「Stores.jp」はホント簡単にECサイトをオープンできるので、まずテストマーケティングしてみたい、という方にはお勧めです。

  

「C to C」とは、「Consumer to Consumer」で、消費者間取引の事です。つまり、個人対個人でのビジネスの事を指します。これまでの法人間取引(B to B)や、一般・個人向けビジネス(B to C)だけではない、新しいビジネスの形として最近よく耳にするようになってきました。

 

様々な事情で会社勤めが出来ない環境にある方(病気や体調不良、子育て中の方、など)や、私の様に性格上会社勤めしてはいけないような方には、新しい道が拓けてきたということです。

 

神田昌典さんが、「2022 これから10年活躍できる人の条件」の中で、「2024年には会社がなくなる?」と書いてましたが、それに近い形になっていくのかもしれません。個人が相応の価格で仕事をしていく様になると、当然価格は下がるでしょう。そして、それを事業としてやっていた会社は、その低価格では太刀打ちできなくなり、事業自体が成り立たなくなる、という事も充分に想定されます。

 

 

いい加減な商売?

 

そして、これまでいい加減な商売をしてきた会社は、早々に市場からの退場を余儀なくされる事となるでしょう。中身のない、営業だけ熱心な会社はゴマンとありますが、それらの会社は事業を転換するか、人員を削減する事になる筈です。

 

「今でもそんな話あるの?」という様な事が、実は結構日常的に起きています。私もこういう仕事をしているので、様々な商品やサービスを目にしますが、ここ1~2年でもかなり酷い事例を目にしてきました。

  

「年商800万の個人商店に月4万の5年リースでECサイト制作」というトンデモないのもありました。4万の5年だと総額240万ですよ。どんだけ大手並のサイトなんだと小一時間・・・(以下略)

 

更には、「個人ビジネス相手にFacebookページ制作で15万」ってのもありました。手付金で半分払ってるのに、数か月何の作業も無く放置、という状態だったので、速攻で返金要求の電話をしてもらって、お金を取り戻してもらいましたが、いい加減な例はこれ以外にも枚挙に暇がありません。

 

こういういい加減なビジネスは、どんどん駆逐されていけばいいのです。でないと不幸な人が増えますから。「ネットビジネスで食っていける!」という煽りを信じて、高額な講座に申込んで、一銭も稼げず、しかも勢いで会社も辞めちゃってたので収入ゼロ、なんて人もいました。本人にも問題アリですが、いい加減なモノが多すぎます。

 

「Facebookで儲かる!」と言ってる人がいても信じちゃダメです。あるセミナーでは話しましたが、「Facebookで儲かると煽ってる人が儲かる」だけですので。

 

 

・・・話が逸れました。本筋に戻します。

 

  

プロフェッショナリズムを軽視し過ぎ

 

ただ・・・とは言っても、「これから個人の時代だ!みんな個人でビジネスしようぜ!」という風潮には、一石を投じたい欲求に駆られます。大いに結構、ただ、真っ当な品質で真っ当なビジネスをしましょうよ、という事です。

  

素人が素人のレベルで仕事をする、それに金銭が伴わないのであれば問題ありませんが、それをビジネスとする以上、しっかりとしたクオリティが求められるのは当然の事です。

  

「日本をダメにしたB層の研究(適菜 収・著)」で、著者は「素人が玄人の仕事に口を出す。それどころか、参加してはならない場所に侵入する。これは近代が内包する問題です」とまでバッサリ切ってます。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34702

  

「プロフェッショナリズムを軽視するな」とは、先日、社会起業家大学で田坂広志さんが講演されていた時にお話されていた事です。社会起業家向けに田坂さんが伝えたかったのは、「“想い”だけでビジネスやNPOを立ち上げるな、ちゃんとプロの技術を身に付けろ」という事なのでしょう。

 

お金になるという事は、必要とされる物や技術、サービスを提供した事への対価として認められたという事です。お金にならないと、事業自体が継続しません。であれば、プロとしての技術を持っている事が必須となってきます。

  

だから、「起業したいんです!」と相談されても、相応の技術がなければ「止めときな」と思い留まってもらう様にしています。想いは必要。でも想いだけで上手く行くほど、世間は甘くはないのです。

 

 

職人をナメるな

  

ここでやっと画像と関連する話になりました・・・

  

ここ数年、いや、もっと長い期間かもしれません。「職人軽視」の風潮には、ずっと違和感を持っていました。「あいつ職人だもんな~」という様なセリフを一度や二度、聞いた事あるかもしれません。何か、「職人」という存在を「劣った存在」として捉える事には反対です。

  

職人がモノやサービスを作るから、営業の仕事が成り立つのです。モノがあるから、広告屋や私の様なコンサル業が成り立つのです。そのモノに「愛」があるから、「ご愛顧」されて世に広まるのです。

 

その「無形の財産」である職人の技術を軽視した結果、どうなったか?今や、どの業界も職人不足で本物を作れる人が限られてきました。アベノミクスで建設業界や住宅業界が景気良くなっても、大工さんや左官さんが足りないという話を最近よく耳にします。

 

5年かけて、10年かけて修行して引き継いでいくべき技術が、継手がいない為に世から消えていく。一度消えたモノは、後から欲しいと思っても、復活させる事は困難です。「本物の味」がレシピだけで再現できない様に。

 

だから、モノ作りに限らず、全ての仕事に於いて、職人の道を極めて行きましょう。営業だってサービスだって、表現の仕方は違えど、道を極めて行くことが最高のクオリティに近づいていきます。

 

もう一度言います。職人をナメちゃいかんです。

 

そして、最後に。

 

個人でビジネスを始めようとされる方。是非、愛を込めて職人の道を極めて下さい。