「みんなが出木杉くんを目指したら面白くない話になる」と考えれば分かる“行列に並ばない生き方”

 bethisguy

 

From 齋藤雄三

博多のオフィスより

 

「みんな出木杉くんを目指したい訳じゃないよね?」と聞けば、殆どの人が「NO!」と応えるはずなのに、実際はみんなで出木杉くんを目指しているという現実について。

 

 

まず本の紹介を

 

友人の後藤専さんが「お金は行列に並ばない人のところにやってくる」という本を出版されました。先日、「相関と因果は違う」という話を書いたばかりなので、このタイトルはどうか、と思いましたが、まあ、出版社が付けたタイトルなのでしょう。個人的には「行列に並ばなかったらお金がやってきた」という経験談としてのタイトルの方が良かったんじゃないかなと思ってます。

 

 

本の内容については、こんな感じ。

 

人気のラーメン屋に入るために列を作って待ったり、初詣の順番待ちをしたり、これまで一度も「行列」に並んだことがないという人はいないでしょう。それだけではありません、ゴールデンウィークの交通渋滞も「行列」ですし、偏差値の高い大学や有名企業にも毎年行列ができます。最たるものが会社です。出世レースなどというものは数少ない役職ポストを目指して行列に並ぶ行為だといえます。

しかし、みんなと同じ道を行こうとするから行列ができるわけで、「行列に並ぶ」という行動は、多数派に従うことだともいえます。そう考えると何とも没個性的じゃありませんか。まして「成功者は人と違うことをやる」というのが世の常ですから、無自覚に目の前の行列に並んでいるようでは、仕事で大きな成果を出すことも、充実したプライベートを過ごすことも難しいでしょう。『お金は行列に並ばない人のところにやってくる!』(後藤専/著、主婦の友社/刊)は「行列に並んでも、労力の割に得るものは小さい」として、あえて人と違う方向、人のいない方向に進むという「行列に並ばない生き方」を勧めています。

 
・好きなことをしてお金を稼ぐ方法はきっとある

前述のように、会社員でいる限り、社内の出世レースという行列待ちから逃れるのは難しいでしょう。本当にそうしたかったら会社を辞めるしかありませんが、生活ができなくなるリスクを考えるとどうしても尻込みしてしまうものです。しかし、会社に属さずにお金を稼いでいる人はたくさんいますから、決して不可能なことではありません。ここでも行列を避けて、自分がストレスなく働けて、なおかつ人がやらないことを探して仕事にすればいいのです。これはとても難しいことのように思えますが、会社に属している今のうちから探していけば、少しずつ見えてくるはずです。

・会社につとめながら「行列に並ばない」方法

ただし、会社を辞めてまでやりたい仕事というのはそう簡単に見つからないかもしれません。そんな時は、会社での目の前の仕事にとことん集中するというのも一つの手です。というのも、今会社でやっている仕事が自分の興味や好きなこととまったく関係がないという人はむしろ少なく、何らかの形で自分の好きなことと関わりのある仕事をしているという人の方が多いからです。だとしたら、出世うんぬんではなく、会社の中で顧客や同僚、会社、そして自分に誠実な仕事を追求していくというのも「行列に並ばない生き方」だと呼べるはず。そうやって仕事をしながら、会社生活の中に潜む「行列」から少しずつ降りていけば、会社に勤めながらも、行列に並ばず好きなことができている状態にすこしずつ近づいていけるはずです。

人が密集するところに割って入っていっても労力と時間がかかるばかりで、得るものは決して多くありません。「みんなが並んでいるから」というだけで自分も行列に加わるのではなく、「自分にとって何が必要なのか」を見極めて行動する生き方をしたいものですね。

「ラーメン屋で並ぶ人が成功できない理由」http://news.ameba.jp/20131211-452/

 

この本のメイントピックである「行列に並ばない」という事に関して、自分と重なる部分が大いにあったので、改めてちょっと自分の事を振り返ってみようかと思います。

 

 

勝負事やゲームに勝つのは楽しいけれど、無駄な争い事は嫌い。

 

私は大学受験をしていません。なので、センター試験とか二次試験の仕組がイマイチ未だに分かっていなかったりします。進学校に通っていたので、周りは郵便局に入って公務員になるという人や、寺の後を継ぐという人以外は例外なく受験生でした。想像付くと思いますが、そういう場で受験しないとなると、かなり浮いた存在になります。でも気は楽でした。

 

「出席はしろ、ただ授業の邪魔さえしなければ何しててもいいから」と担任に言われたので、毎日、魔法瓶にコーヒー入れて、読みたい本を1冊カバンに入れて登校。そして眠たくなったら寝る。起きたらまた本を読む。最高に幸せな半年間を、高3の最後に過ごす事が出来ました。この時期ですね、Imidasを最初から最後まで読んでみたのって。あれはあれで勉強になったし楽しかった。(今調べてみたら、Imidasはもう休刊してるんですね。ネット百科事典みたいになってるとの事。何か残念)

 

必要に迫られて覚えたくないモノを覚えるよりも、「知らない事を知る事が楽しい」感覚の方が力が出るという事を身を以て自覚したのは、この頃だったと思います。

 

今だったら、受験してても良かったかな、って思います。ゲームとして、どう攻略するか、と考えれば面白かったのかなと。ただ、青臭い話ですが、「大学受験する ⇒ 大学に入る ⇒ 就職する」という一連の流れに意味を見出せなかったので、自らその列からは外れる事にしました。

 

それで思い付いたのが「アメリカに行く」という選択肢。

天からの啓示のような閃きでした。

「あ、アメリカ行けば受験勉強しなくていい」って。

 

今でも覚えてます。高3の夏の生物の課外授業中。一時間、ずっと「どうしたら受験しなくて済むか」を考えていた時に、ふとそれを思い付きました。そして決断。もうそこからは早かったですね。その日のうちに担任に「アメリカ行きます」って伝えて、「どこ行くの?」と聞かれたので、「今から調べます」で、その日の夕方調べて担任に報告。家に帰って両親に報告しました。快く送り出してくれた両親には今でも感謝してもしきれません。自分の子が同じこと言い出したら、同じような対応できるかな、と今から考えている最中です。

 

まあ、要は、不毛な競争をしない、という生き方を選択した訳ですが、受験勉強より遥かにキツイアメリカの大学生活が待っているとは、この時は知る由もありませんでした。

 

 

サラリーマン時代のポジショニング戦略

 

日本に帰国した後は、ツアコンになりました。人と比較されてどうのこうの、というのは殆どない業界だったので、これも「自分とお客さん」との関係性に集中する事が出来る、いい環境でした。

 

しかし、その後コンサルタントに転身した時は、さすがに競争に放り込まれた気がしました。何せ自分の上に100人位先輩コンサルがいる環境。そして、毎月大量に後輩が入社し、付いて来れない人は辞めていく。まあ厳しい世界です。

 

流石に、入社当初はガムシャラに何でもやりました。自ら手を挙げて仕事を貰いに行き、「No」と言わない事を心がけて、とにかく吸収する事、スキルアップする事に集中しました。

 

ただ、数ヶ月経った後、ある事に気付きます。

 

当時、勤めていたコンサル会社は建設業のお客さんが多く、建設業に強い先輩コンサルが大勢いました。社内で教えていただく事も建設業の事例が多く、業界の事を全く知らない私にとっては、専門的な事は何もかも初めてで、分からない事だらけだったのです。「こりゃ、追い付くのに時間かかるなぁ」という状態でした。

 

で、きっぱりと諦めます。競合が多い所に飛び込むのは得策じゃない、と。

 

そして、建設業以外の業種に集中して研究していきました。更には、当時の会社は「管理」を主体にコンサルティングしていたので、売上を伸ばす事や、マーケティング的な事をやっている人が少なかったという事情もあり、その分野だったら際立った存在になれると確信し、メインストリームからは外れてマーケティングを徹底的に研究しました。

 

結果的に、人と比較されないポジションを確立出来ました。無駄な争いを避ける事に成功したのです。当時、社長には「上を目指せ」と散々言われましたが、目指しませんでした。「自然に上に上がる状態」を作る方が、自分の為にもお客さんの為にも、そして結果的に会社の為にもなるだろう、と。「自分対お客さん」の関係に集中していれば、スキルは否が応でも身に付いてくるモノです。

 

社内で出世争いをしている事とかは、お客さんからしたら「どーでもいい事」なのです。

お客さんが欲しいのは、「結果」や「成果」。だったら、そこに集中する事が、自らの価値を高める事になるのは当たり前です。市場価値は市場が決めます。その市場を「社内」と勘違いしてしまう事で、不毛な争い事が起きるのです。市場で評価される存在は、会社内でも評価されます。もし、本当に市場評価が高いのに社内の評価が低ければ、出て行けばいいだけの事です。出て行った時に「本当にそうだったのか」という事は、直ぐに確かめられます。

 

 

話が少し脱線しましたが、ただ、こういうある意味ワガママを許してくれた会社には、本当に感謝しています。多分というか、確実に相当生意気なヤツだったと自分でも思います。でも、実績さえ上げていれば自由度はメチャメチャ高い職場に巡り合えた事は、非常に幸運な事でした。

 

サラリーマン時代の事をまとめると、「人並み、若しくは人以上の実績は当たり前に上げる」、そして、「人と争わない、比較されないポジショニングを意識する」事で、ストレスを感じない生き方が出来たのだと思います。

 

今、会社に不満があるのなら、まずこのことを意識してみて下さい。

あなたがもし不満を毎日持っているのであれば、それはまず誰もが納得する実績を上げる事で解決できます。それが出来ないのであれば、不満の対象は会社ではなく、「あなた」の問題です。

そして、そこで実績を上げる事に力が湧かないのであれば、その仕事はあなたがやるべき仕事ではないのかもしれません。嫌々やる仕事であれば、あなたにとっても毒ですし、会社にとっても不利益になる事ですから、早く環境を変えた方がいいかもしれません。

ただ、「好きな仕事をしたい」と思うのであれば、まず「好きになる」ことからしか始まりませんから、「好きになる」努力は必要です。どうしても好きになれないのであれば、諦めて探す事です。(ってジョブズが言ってた事のパクリみたいになっちゃいましたね(笑)でも、ホントそうだと思います)

 

 

 

ただ、こうやって会社員時代の事を書き出してみると、「シタタカやなぁ」と自分でも感じます。でも、これはそんなに意識して戦略的にやった事ではないんですよ。(←言い訳)不毛な争いが嫌いなので、自然と選んだ道がこうだったというだけの事です。

 

 

 

やっと出木杉くんの話

 

ここでようやくタイトルの話になります。

 

ドラえもんのキャラクターは、当然ですがみんなキャラが立ってます。つまり被ってない状態。登場人物がみんな出木杉くんだったら、ドラえもんは不要になります。だって何でも出来過ぎちゃうから。

 

子供の遊び仲間のグループを見ていると、例外なくキャラが分散してます。みんな自分のキャラが活きる様に、自然と最適化している。親分キャラは2人いるとまとまらないので、最終的には1人に集約されます。沢山ジャイアンがいたら、ただのバイオレンスアニメになってしまう様に、それは見ている方も演じている方もツマラナイものになっていきます。

 

子供達は誰に教わるでもなく、キャラを切り替えてポジショニングしてます。それは元来、人に備わった生きる為の最適化戦略なのでしょう。「みんなちがって、みんないい」と金子みすずは謳いましたが、これが今でも共感されるのは、本来当たり前の事なのに、そうなっていない現代の世相を反映している事なのだと感じます。

 

 

MI理論という教育理論があります。Multiple Intelligence、つまり多重知性と訳される、ハーバードのハワード・ガードナー教授により提唱された、「人には8つの知性分類があり、得意分野がそれぞれ違うのだから、その前提で能力を活かしていこう」という理論です。

 

その8つとは、「言語知性」「論理・数学知性」「視覚・空間知性」「音楽知性」「身体運動知性」「人間関係知性」「自己観察・管理知性」「自然共生知性」に分類されるモノです。(簡単にこのブログにまとまってたので、詳しくはこちらを)

 

これを前提に考えると、出木杉くんは「言語知性」「論理・数学知性」に優れた子供なのでしょう。(まあ、でも運動も音楽も出来そうだけど・・・)ジャイアンは「身体運動知性」が発達してて「音楽知性」が弱い感じ。(笑)

 

ただ、現代社会の仕組で難しく感じてしまうのは、出木杉くんの得意分野である「言語知性」や「論理・数学知性」に優れている人だけが、収入に直結する評価を得られるというシステムになっているという事です。

 

「運動に秀でてればスポーツ選手として食っていけるじゃないか」、「音楽で生計を立てて行く事だって可能だ」という意見もあるかもしれませんが、それは一握りです。圧倒的多数は、“そこそこ”「言語知性」と「理論・数学知性」が備わっていれば食べていけるという仕組みになっています。(まあ、食いっぱぐれる事は、そうそうない)だから、学校で教わる事は、この分野中心になってくるのも当然なのでしょう。

 

ただ、そこには競合が沢山います。みんなが同じ方向を目指すから。だから、そこそこ食っていく事は出来ても、楽しくない。そして、思ったほどお金にもならない。

 

だったら、人並みに(出木杉くんの得意分野を)取り敢えずこなしたら、後はその競合がうじゃうじゃいる場所から一歩はみ出す事でしか、楽しみは見い出せないのです。

 

集団に属さないと不安なのは、「集団に属している事で不安がなくなるよ」と知らないうちに刷り込まれた結果だと、まず疑ってみたらどうでしょうか。どの道、私達は一人一人みんな違った存在なのです。

「あなたの長所」でしか他のものに、世の中に貢献出来ない様に出来ているのです。その「あなたの長所」は、群衆に埋もれたままでは誰も見つけてくれないでしょうし、あなたがそれに気づく事もないのでしょう。

 

大きく、大袈裟に、外れる必要はないと思います。だた、一歩、ちょっとだけ行列から離れてみる事で、見える世界は変わってきます。そして、そこにはきっとあなたの力を必要としている人がいるはずです。

  

 

最後に

 

という事で、本の紹介のつもりが、自分のまとまりのない振り返りになり、ポジショニングの話になり、教育理論の話になり、と、収拾が付かなくなってしまいましたが、後藤さんの本、読んでみて下さい。納得できる事、沢山あると思います。

 

そして、HP上でようやく公開しましたが、1月に後藤さんを福岡にお招きして出版記念セミナーをやります。

 

私も話す予定ですし、「ロングテール内のビックキーワード」という、この言葉にピンとくる人にはピンと来る、独自のWEB戦略を構築されているダイヤモンドメディアの小林さんも一緒にご登壇いただく予定です。小林さんのWebの話も、「行列に並ばない」という事に通ずる話ですので、楽しみにしていてください。

 

私は、最初「悪魔のポジショニング戦略」というタイトルで話そうかと思いましたが、余りにも仰々しいので、もう少し柔らかく、「戦わないポジショニング戦略」位の話をしたいと思っています。

 

楽しんで生きてる人には共通している「行列に並ばない」生き方。経営者のみならず、会社勤めの方、これから社会に出ていく方にも知っておいていただきたい話ですので、是非、ご参加下さい。お待ちしています。

 

 

 

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